ピロリ菌って聞いたことがありますか?
  胃潰瘍や胃がんの原因だと目される細菌で正式にはHelicobacter pylori(ヘリコバクターピロリ)と言います。かつては胃の中のように強力な酸性の状態では細菌は生存できないと考えられていましたが、ピロリ菌は胃の中にある尿素からアンモニアを作って酸から身を守っています。  
また、このアンモニアが胃粘膜を刺激して胃潰瘍の原因になるという訳です。国内外の研究ではこのピロリ菌が胃潰瘍、十二指腸潰瘍のみならず胃がんの原因ではないかとも考えられています。日本人では保菌率が高く、40歳以上の方では7割以上の方が陽性です。  
しかし、保菌者がすべて胃・十二指腸潰瘍、また胃がんになるわけではなく今後の研究が待たれます。はっきりしていることは、胃・十二指腸潰瘍のある方でピロリ菌の保菌者であると抗潰瘍剤で一旦は治癒しても再発する可能性が極めて高いということです。こうした場合は積極的にピロリ菌を除菌する必要があります。当院では内視鏡の検査の他、内視鏡を使用しないで簡単にピロリ菌の有無を調べる検査も行っています。  
何となく胃の調子が悪い方、以前、潰瘍があると言われた方、この機会に是非、ピロリ菌に感染しているか調べてみませんか?